ブランクがある保育士必見!!志望動機の書き方やコツを解説

ブランクから復帰

保育士は離職する人が多い職場としても知られています。

潜在保育士と言う言葉があるくらい、一度離職した保育士が、再び保育士の仕事に就くには、「ブランク」がハードルとなってなかなか再就職への道を踏み出せない人も多いようです。

保育士はブランクがあると採用されづらいのか?
不安要素はどう埋める?

再就職する際の保育士の志望動機や、ブランクから復帰する際に気を付けるには、どうしたらよいでしょうか?

目次

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保育士はブランクがあると採用されづらい?

再就職を目指す場合、ブランクがあるとどうしても二の足を踏んでしまいます。
資格職でもある保育士は、ブランクがあると採用されづらいのでしょうか?

保育士はブランクがあると採用されづらいのか?

結論からいうと、保育士はブランクがあると採用されづらい、ということはありません。
その理由として、一般の会社員とは違って資格職であること、そして、全国的に「深刻な保育士不足」という社会的背景が挙げられます。

離職の理由が出産・育児または介護などの場合、その経験が保育士の仕事にも生かされやすいというメリットもあります。
待機児童問題を少しでも解消をするためにも、保育士のなり手が必要なので、ブランクがあっても心配はありません。

待機児童対策に求められている潜在保育士の需要

「潜在保育士」とは、保育士の資格を持っていても、保育士として働いていない人を指します。
潜在保育士には、保育士を離職してブランク期間を経てから復職する人のほか、最初から保育士として働いていない人も含まれます。

一度保育士として働いていても、なかなか現場に戻るきっかけをつかめずに復職できない状況である人が多い潜在保育士は、待機児童問題解消の一手として注目されている存在でもあるのです。
そんな、復職するきっかけのない潜在保育士のために、就職準備金の貸付、育休から復帰しやすいように保育園費用の一部を貸し付けるなど、支援事業を実施している自治体なども増えてきており、国全体で、潜在保育士を支援する動きが出ています。

ブランクがある保育士の不安って?

知識や経験、勤務時間…いざ再就職するにしても、不安要素は尽きません。
保育士として再就職に踏み出すためには、まず不安要素を解消しましょう。

ブランクのある保育士はどんな不安を抱えているのか

まずは実際にどのような不安があるのかをまとめてみました。

保育の現場でまた働きたいという思いは強いが、以前とは違い自分も家庭や子どもを持ちその上での就職になるため不安が大きい。家庭や子どもを犠牲にして、言ってしまえば他の子どもの成長に携わるのは違うように思うからだ。自分が働く職場の姉妹園や近所の保育園、家の近くの保育園や幼稚園に我が子がお世話になることができたら通勤しやすいのかもしれない。(20代・女性)

自分自身も親の立場になると、以前とは環境も変わりますね。
保育士として働きながら、自身の子どもを預けなければならないのでそういう環境も整えてほしいものです。

保育士不足が出ているのに、復帰しようとする人の子供が保育園に入れず、働けない状況は如何なものかと思った。そこに無資格の人を雇わないといけない。仕事が増え、続けていけるか不安と復帰しようとする人の支援をしてほしい。(40代・女性)

産休・育休から復帰に向けての支援はまだ確立はされていません。
少しでも多くの保育士が復帰できる環境に、支援はかかせませんね。

引用元:東京都福祉保健局「平成30年度東京都保育士実態調査結果」

再就職に向けての不安要素を解消しよう

例えば、年々変わる保育知識や、経験不足などが不安材料の場合は、ハローワークでブランク向けの教育支援制度を受けるか、復職支援制度が整っている保育園に就職することで、ブランクを埋めることができます。

また、復職したいけれど、自分の育児や介護があるので、勤務時間が心配だという人のためにも、時短勤務制度や、パートなどでの復職の方法もあります。

ブランクがある分、復帰準備も必要

ブランクがあるけれど、保育士として復帰したいと考えてる方は復帰前の準備もしっかりしておきましょう。

特に「体力」は自分が思ってる以上に衰えていることも……
ランニングをしたり、ジムに通ってみたりして体力づくりをしておくといいでしょう。

また、手遊びやピアノについても重要です。
ピアノも触っていないと思った通りに指が動かないものなので、定番の合唱曲は練習しておくと良さそうです。
手遊びも同様に、1つでも構わないので遊んでみることをおすすめします。

さらに、保育環境に関する情報もチェックしておきましょう。
たとえばブランクが約5年の場合、食物アレルギーや保護者とのやりとりをアプリで行うなど、変化していることは多いはずです。
知り合いの保育士に話を聞いてみたり、インターネットで情報を収集するなどしてみると良いでしょう。

不安要素を一つずつクリアして、保育士への再就職を目指しましょう。

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志望動機の基本的な考え方

いざ志望動機を書くとなったとき、書き方に迷う人も多いはずです。
そこで、志望動機を書く際の基本的な考え方をまとめてみました。

  • ブランクを経て、保育士を志望したきっかけ
  • 保育士という職業をどのように考えているか
  • 応募した保育園でなぜ働きたいのか

まずは「また保育士として働こう」と思ったきっかけです。
「一度離れたけれど、やっぱり子どもが好き」など、きっかけは人さまざまだと思います。
そこを掘り下げていきましょう。

次に、「保育士という職業をどのようにとらえているか」です。
これは「なんでも吸収する子どもたちの成長の手助けをしたい」といったことが挙げられます。

最後に、「どうしてこの保育園を志望したのか」ということです。
これが一番重要になります。
志望先のどんなところに魅力を感じたのか、これを伝えられるようにしっかり考えてみてください。

この3つの要素が入っていると、相手にも熱意の伝わる志望動機になるはずです。

志望動機と自己PRを書き分けましょう

履歴書や職務経歴書を書くときに志望動機の他に悩むところといえば「自己PR」ですよね。
それぞれをうまく書き分けることで、採用担当者の見る目が変わるかもしれません。

「志望動機」と「自己PR」の違い

志望動機とは、「ここに就職したい」「ここで働きたい」と思った理由を書く欄です。
例えば「保育指針」や「英語教育に力を入れている」など、いろいろあるでしょう。
志望した保育園の特徴を入れて書くと、説得力が出ます。

一方、自己PRは「自分の強み」「自分の経験」といったアピールポイントを書く欄になります。
「問題発生時には冷静に判断し、対応できる」ということなど、自分の魅力を文章にして伝えましょう。

自己PRを書くコツ

自己PRは自分の良いところをアピールする部分です。
まずは自分がこれまでに培ってきたことを洗い出します。

得意なこと
体力がある
子どもに好かれやすい
何事もそつなくこなせる
失敗をあとに引きずらない
資格をたくさん持っている

といったことを洗い出して、アピール部分を見つけていきましょう。

しかし、自分の長所というのは自分ではわかりにくいものです。
そういう時は周りの人(家族や友人)に聞いてみましょう。
気付いていなかった自分自身の良いところがわかるかもしれません。

その後、性格や人柄に関係するものと、資格や経験といったものに分類していきます。
分類できたら人柄を積極的にアピールしていきましょう。

採用する側は人柄を重視していることが多いからです。
だからといって経験を重視していないわけではないので、バランスよく自己PRに盛り込むといいでしょう。

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ブランクがある場合、志望動機・アピールポイントは?

ブランクを経て再就職をする時、避けて通れないのが面接です。

履歴書にブランクがあると、必ずといっていいほどその理由を聞かれます。
ブランクがある場合の志望動機はどのようにアピールしたら良いでしょうか?

前職をやめた理由を聞かれた場合の答え方

面接の時に、必ず聞かれることが「前職をやめた理由」です。
保育士の仕事を辞める時、結婚、育児、人間関係、他業種への興味、ステップアップ、人それぞれに事情がありますが、まずは正直に伝えて問題ありません。

もちろん、ネガティブな理由をそのまま伝えてしまっては心証が良くないので、できるだけニュートラルな目線で説明できるとベストです。

再び保育士に復帰しようと思った理由を聞かれた場合

保育士に復帰しようと思った理由を聞かれた時は、保育士という職業への熱意を見せるチャンスです。
ブランク期間があったからこそ見えてくる保育現場の現状、外の世界との違い、保育士という仕事への感謝の気持ちなど、職を離れた時と、復帰したくなった時の気持ちの変化を上手にアピールすることがポイントです。

「待機児童問題解消のために一役買いたかった」など、時事ネタを挟んだアピールも良いでしょう。

ブランク期間を「経験」としてアピールしよう

“ブランク”はマイナスではありません。
多くの人が、ブランクをマイナス面と捉えがちですが、ブランク期間は「自分の経験を積んだ時間」として捉えてみましょう。

家庭に入るために保育士を離職した場合は、「育児を通して保育士の仕事の素晴らしさを再認識して復職したくなった」と、志望動機に結びつけてのアピールすることができます。
離職理由が、人間関係のトラブルや、職場が合わなかったなどの場合でも、「一旦保育の現場を離れることにより、他の仕事で社会経験を積み、自分自身の成長から、見えてきた気づきを再び保育の現場で活かしたい」という捉え方もできます。

ネガティブなアピールよりは、ポジティブなアピールであることが望ましく、面接官も「会ってみたい」と思う志望動機になります。
しかし、あまりまとまりがないと、かえってマイナスとなるので注意しましょう。

ブランクがある人は志望動機に復帰理由を書こう

保育士のブランクがある人は、履歴書の志望動機に復帰理由を書いて、復帰への意欲を見せることがポイントです。

面接で話すことも大切ですが、どの保育園もまずは履歴書を見て書類審査をします。
履歴書に書いてある志望動機が薄かったら、いくら人手不足の業界とはいえ、面接すら受けさせてもらえないケースもあるのです。
面接前から「この人を採用してみたい」と興味を持ってもらうためにも、下記を例にして志望動機に復帰理由を書きましょう。

志望動機でNGなワード

「子育てがひと段落したから」「時間があるから」「専業主婦から社会復帰をしたかったから」
これらのワードを並べても、ありきたりすぎてしまい、見た人の心を動かすことはできません。

もし、同じ募集に、転職をする現役保育士や、新卒の保育士がいたら、その人たちが優先されてしまう可能性もあります。
どうして応募したのか、自分は何をしたいのか、社会にどう貢献したいのか、などもう一歩踏み込んだ動機が必要です。

志望動機で使いたい表現

このような表現をすると、自然な形で意欲をアピールすることができます。

  • 家庭を持ち、母として子供が成長する喜びを知り、独身時代とは違った目線で保育士の仕事に関わりたいと思った
  • 子供をもって、自分が保護者の立場となり、親としての気持ちが理解できるようになった今だからこそ、もう一度保育士の道を歩みたいと感じた
  • 自分で待機児童問題の壁にぶつかり、それが保育士不足ということをしり、自分のかつての経験が役立つなら、と思い志望した
  • 家事や育児が、保育士の仕事と直結するものが多いと感じ、あの頃の自分ではできなかったことが今ではできるかもしれない、保育の現場でさらに自分を成長させたいという気持ちになった

これらを参考に、自分自身の言葉でアピールしてみてください。

懸念がある場合は対処も含めて表現する

採用担当者が懸念するのは「ブランクがある」ということよりも、前向きにブランクを埋めて、長期間勤めて欲しいということです。
そのあたりの意図も汲んだうえで志望動機を書けるとベストです。

例えば、次のように書いてみてはいかがでしょう?

  • 体力的な懸念がある場合は、「リハビリとして、体を動かす時間を増やしている」
  • 保育士としての知識に不安がある場合には「ブランクの間の知識を埋めるために講習を受講した」

このように、ブランクをマイナスにしない自身の取組はおすすめです。
新しい条例や法律を勉強している、ピアノのレッスンを欠かさないなどの、日々の努力をしている人ならば、しっかりアピールしてください。

ブランクから保育士として復帰する際の志望動機例文

ここでブランクのある方の志望動機の例文をご紹介します。
是非参考にしてみてください。

私は結婚・出産を経て、食事に対する意識が変わりました。
貴園を志望しましたのは、貴園の「食育」に大変共感したからです。
自分自身が親の立場になり、一層食事の大切さを実感しています。
普段から子どもたちに自分の口にするものがいかにして作られているかを理解してもらういい機会だと感じました。
まだまだこれから成長していく子どもたちにとっては、とても大切なことです。
貴園では保育士としての経験を活かしながら、子どもたちと一緒に野菜を栽培することで食事の大切さを伝えていきたいと考えております。

他にも、中途採用という意味ではこちらも参考になると思います。

保育士の志望動機!中途の場合の書き方は?【例文あり】

ブランク後に保育士として復帰する時の注意点

無事に採用となって、晴れて保育士として復帰するとき、1つだけ注意してほしいことがあります。

復職とはいえ、その園では新人。
ほとんどの園では、復職にあたり「まっさらな気持ちで仕事をしてほしい」と願っています。
保育園の数だけその園のやり方やルールがあるので、年齢に関係なく、周囲から教えてもらう謙虚な気持ちが大切です。

ブランクの間に、保育のやり方や専門知識はもちろん、保護者への対応も変化しています。
復職プログラムのある保育園へ就職する、もしくは自治体の講習などを受けてブランクを埋めておくことも必要です。

また、何か保育業界で事件などが起これば、体制や人員の見直しが入ることもあるので、保育園がらみの事故や事件などもチェックしておきましょう。

若手の保育士が先輩になることもある

現場を離れていた分、若手の保育士が先輩になることもあります。
先ほど紹介した復職プログラムなどで、新しい情報を得ている場面も少なくないでしょう。

しかし、新しい職場の先輩は知らないだろうと思って、事細かに説明してくれることもあります。
一方で現役だった頃とやり方が異なり、注意を受けることもあるかもしれません。

もちろん、これまでの経験もあって反論したくなることもあると思います。
特に自分よりも年齢が下の保育士に指摘されると、自信をなくすこともあるでしょう。
そんな時に大切なのが、先ほども少し触れた「謙虚な気持ち」です。

指摘や注意をもらったときには「ありがとうございます」と伝えるようにすると、良い関係を築けるかもしれません。

ブランクがあっても働きやすい職場選びを

ブランクがあっても、保育士は再就職しやすい職種です。
とはいえ、誰でも採用してくれるわけではありません。

ブランクを得て再就職したい理由、保育士の仕事への熱意をしっかりと採用担当に伝えなければ、書類審査で落とされてしまう危険性があります。

ここで、ブランクがある方にもおすすめの保育園をご紹介します。

ドリームキッズ保育園

有限会社COCOが運営している保育園です。
東京・池袋に2園、西東京市、小金井市、小平士に各1園の計5園があります。
5園すべてが認可・認証をうけています。
小平市認可保育園である花南保育園以外は、小規模保育園です。

また、0歳児から預けることが可能であるため、産休・育休などのブランクがあってもこれまでの経験を活かすことができます。
希望があれば園の見学も可能なようなので、ぜひ一度足を運んでみることをおすすめします。

ドリームキッズ保育園(有限会社COCO)

アップルナースリー

東京都のほか、千葉県・埼玉県に展開しているアップルナースリーは、有限会社もっくもっくが運営会社です。
こちら5園展開で定員数は園によって異なり、一番少なくて19名、多くて61名となっています。

こちらは応募条件に「保育士資格のある方 業務経験があれば尚可」となっているので、ブランクがあっても採用される可能性があります。
しかし、ブランクOKという記載はなかったので、応募する際には問い合わせてみるのがいいと思います。

アップルナースリー(有限会社もっくもっく)

おはよう保育園

東京都内(江東区・豊島区・大田区・板橋区)に8園、神奈川県横浜市に3園ある保育園です。
運営会社は東京建物キッズ株式会社で、小規模保育園から大規模保育園まで幅広く運営しています。
認可・認証を受けている保育園と企業主導型保育所の運営を行っているのが特徴です。

応募資格は保育士資格を持っていることが条件ですが、年齢や経験、ブランクは相談可となっています。

また、ここは保育士と主任保育士で募集が分かれているので、自分のキャリアに合わせて選びましょう。

おはよう保育園

マジオたんぽぽ保育園

東京都下に3園(認可×1、認証×1、認可外×1)、神奈川県に4園(すべて認可)あるのが、マジオたんぽぽ保育園です。
株式会社マジオネットが運営しており、小規模~中規模の保育園があります。

大規模保育園を経験後、ブランクを経て働いている先輩保育士もいるそうです。

また、変わった福利厚生も特徴です。

マジオたんぽぽ保育園

まほうの保育園

東京都内に2園あり、株式会社HIROLINEが運営しています。
まほうの保育園 港南芝浦の定員は57名、まほうの保育園 東大井は39名で対象年齢は港南芝浦が生後1ヶ月~就学前、東大井は生後57日~2歳児です。

ブランクのある保育士だけでなく、未経験や保育士資格取得見込みの人も募集しています。

英語やリトミックといったカリキュラムを用意してあるのも特徴といえるでしょう。

まほうの保育園

保育士のブランクはマイナスになるわけではない

このように、ブランクのある保育士を積極的に採用をしている企業は多いのです。
特に、子育てを経験している保育士は、その経験が武器になります。

また、不安なことは面接や職場見学の際にいろいろと話を聞いて確認することをおすすめします。
産休・育休を経ての転職の場合、自分の子どもも系列の保育園に預けることができるのかといったことも聞いておくと安心ですね。

せっかくとった資格を活かすためにも、ブランクをプラスに変えるくらいの前向きな気持ちで、まずは一歩踏み出してみましょう。

 

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