保育士はいじめが原因で退職するケースが多い??問題の解決策は?

保育士のいじめ

保育士は激務といわれていますが、「いじめ」が多い職場ともいわれています。

事実、人間関係に疲れてしまって保育の現場を離れ、二度と戻ってこない人も数多く存在しますが、本当に「いじめ」が原因で、保育士を退職してしまうのでしょうか?
また、保育士同士では、どんないじめが多いのでしょうか?

保育士のいじめのケースやその解決策などについてまとめてみました。

保育士のいじめの実態

実際に保育士の現場では、どのようないじめが横行しているのか、ケース別にみてみましょう。

保育士のいじめの実態

一番身近で、最も多いケースが、先輩や同僚からのいじめです。

例えば、挨拶を無視する、仕事を教えない、雑用を押し付けるといったことが挙げられます。
これらのいじめは保育の現場でなくとも起こりうる一般的ないじめでもありますが、これがエスカレートすると大変です。
問題の多い保護者への対応、子ども達の前でのダメだし、あてこすりなど、保育士としての尊厳をズタズタに引き裂くような陰湿ないじめが日常茶飯事で行われることになります。

仲間の輪から外されるので、重要事項の申し送りばかりか、最低限な連絡や報告さえもらえず、周囲から孤立して、やがては退職へと追い込まれます。
年功序列にこだわる園や、自分が新人のころに同じような「新人いびり」をされてきた人、先輩・同僚間でのいじめが当たり前の環境の場合、園全体でいじめを容認する、もしくはいじめに関する感覚がマヒしているので、現場での解決は困難です。

園長からのいじめ

公立、私立を問わず「園長」という立場を利用したいじめも、あとを絶ちません。
お気に入りの保育士ばかりをひいきする、自分の保育観を押しつけて逆らったら数時間説教をする、難癖をつけてボーナスの査定を下げるなど、権限を振りかざして保育士を従わせる、いわゆる「パワハラ」が常態化している園で起こりやすいいじめです。

業務の間に突然掃除をさせたり、園の飾りつけをさせたり、書類書きを依頼したりと、自分の思い付きだけで仕事を振るだけでなく、サービス残業、休日出勤を強要し、飾りつけの費用などを持ち出しで済ませる園長も存在します。
保育士全体がパワハラに翻弄されているケースもあれば、一人だけターゲットを決めていじめるケースもあり、後者はやがて、園全体のいじめへと発展することも少なくありません。

保護者からのいじめ

いじめは職員や園長といった園の中だけではありません。
朝夕の送迎で顔を合わせる、保護者からのいじめもあります。

クレーマー保護者のターゲットにされて、園に名指しでクレームを入れられる、挨拶を無視される、子供に悪口を吹き込む、などの例が挙げられます。
中には、新人の保育士や、独身の保育士に対して「子供がいないから親の苦労が分からない」「子供を育ててないから子供の気持ちが分からない」などの悪口を浴びせられるケースも。

保護者からのいじめのきっかけは、先輩や同僚から、クレーマー保護者の対応を押しつけられることがきっかけになっていることもあり、悪循環から抜け出せなくケースもあるようです。

男性保育士へのいじめ

保育士は女性が多く、男性は少数派の傾向にあります。倉庫からの用具出しや机や椅子の片づけなど力仕事が多い保育士にとって、男手はとても貴重な存在です。
しかし、女性社会の保育士では、まれに「男性に保育ができるわけがない」「保育業界では女性の方が立場が上」という固定概念を持つ人もいると聞きます。
このような考え方が、男性保育士のいじめに繋がってしまう原因のひとつにあるのでしょう。
男性という理由だけで、力仕事や掃除、汚物処理など雑用ばかりを押し付けられたり、ハブられるといういじめが起こっているようです。

また、保育園の中には男性保育士を受け入れる設備や体勢が整っておらず、ロッカーや更衣室を与えてもらえないというケースもあるようです。
保育園側の環境が整っていないことで、男女格差が生まれてしまい男性保育士のいじめに発展してしまうことも少なくありません。

どうして保育士同士のいじめが起こるの?

どうして保育士の業界はいじめが起こりやすいのでしょうか?
それにはいくつかの理由があります。

仕事が忙しすぎてストレスがたまりやすい

保育士の仕事は激務です。
朝から夜まで子供たちと過ごす時間以外にも、送迎の保護者への対応、季節の飾りつけ、行事の段取りと準備などの業務が山のようにあります。

その上で、書類作成などの事務作業もあるので、保育士はひと息をつく暇もなく、仕事に追われているのです。
繁忙期になると、サービス残業や、休日出勤も増え、保育士たちのイライラはピークに達します。
そのガス抜きのために、立場の弱い人や、仕事を断れない人をターゲットにしたいじめが起こりやすい環境となるようです。

女性が多い職場だから

女性が多く集まる職場は、人間関係のトラブルが起きやすいとされています。

女性は不満を外に出すことで共感を得たり、賛同者を増やしたりしてグループを作ります。
そうしてグループに馴染めないような人を不満のはけ口とする傾向があるのです。
チームやペアを組んで長時間一緒に仕事をするので、ひとたび目をつけられてしまうと、いじめが一日中続いてしまいます。

また、表と裏の顔を使い分ける人もいるため、いじめがあるという事実を信じてもらえない、周りの人が全く気づかないといったこともあります。

ワンマン園長による職場環境の悪化

全ての権限が園長に集中しているワンマン営業の保育園も、パワハラによるいじめが横行します。
現場を知らない園長ほどその傾向が強く、職員の大変さを理解せず、細かい仕事を思いつては、一方的に命じます。

トップが自らパワハラをしているので、古参の保育士もそれにならって自分たちがされているようないじめをする、という悪循環に陥ってしまうのです。

保育士いじめの解決策

自分が他の保育士からいじめられていると気づいた時に考えるのは我慢ではなく、状況の打破です。
保育士いじめの解決法には、以下のように対応してみましょう。

いじめに負けないメンタルを鍛える

保育士になったばかりの新人さんは、いじめに合うと「自分は仕事ができないから仕方ない」と自分のせいにしてしまうこともあると思います。中には、自分が悪いと思い込んでしまい、精神科に通うことになってしまったという人もいるでしょう。

特定のひとりからいじめを受けている場合は、本当に自分に非があるのかよく見つめ直し、いじめに負けない強いメンタルを鍛えることもひとつの手段です。あなたがいじめに臆さない姿勢を見せることで、相手はいじめることが面白くなくなり、いじめをやめる可能性もあります。
あまり深く悩みすぎず、プライベートでうまくストレスを発散させていくことも、いじめに負けないためには必要でしょう。しかし、いじめの状況によっては逆効果になってしまったり難しい場合もあるので、決して無理はしないようにしてくださいね。

信頼できる相手にいじめの相談する

まずは、信頼できる相手にいじめの相談をしましょう。
園長や同僚などが味方になってくれるなら、シフトを変えてもらう、相手に対して注意をする、などの対応が可能です。
上司や同僚が信頼できなければ、家族や友人でも問題ありません。

自分を追い込む前に、まずは自分の辛い気持ちを誰かにシェアして、味方をつくることが大切です。

外部機関や窓口に相談してみる

職場に味方もいない、家族も頼れない、という状況の人は、外部機関や自治体の相談窓口を利用することをおすすめします。

みんなの人権110
差別や人権、パワハラなどの悩み相談を、電話で受け付けてくれる窓口です。
法務局や地方法務局、その支局では、窓口で面談を受けることができます。

各都道府県の総合労働相談センター
厚生労働省管轄の専門相談機関で、いじめ、パワハラ、セクハラ、解雇などの悩みを聞いてくれます。
予約なしで費用も掛からず、専門の相談員に対応してもらえます。

まずは、最寄の都道府県窓口へ問い合わせてみましょう。

法テラス
いじめ問題の解決に役立つ法律を教えてくれます。
もっと具体的に相談できる窓口も無料で案内してくれます。

働く人のメンタルヘルスポータルサイト・心の耳
心に不調をきたすレベルまで追い詰められた人やその家族に向けて、支援や情報を提供してくれるポータルサイトです。
相談窓口だけでなく医療機関も紹介してくれるので、できれば心に不調をきたす前、しんどくなった時に、早めに相談してください。

いじめの証拠を記録する(ICレコーダー・持ち出しレシートなどの保存)

口で説明してもいじめる相手の方が周囲の信頼を得ている場合、いじめの事実を伝えても信じてもらえません。
その場合はICレコーダーで、相手から言われている言動を記録することで、証拠をとりましょう。
加害者の声による言動は、何よりの証拠となります。

同時に、いじめられた事を日記で記すこともおすすめです。
日付、時間、いじめられた内容などを記録に残しておくと、信ぴょう性がアップします。
自費で買い物をした分は、それを日記に記した上で、レシートを貼っておくよう心がけましょう。

転職(退職)

どうしても状況が変わらない場合は、一刻も早くその職場から離れましょう。
この環境は自分に合わない、このままだと自分が壊れる、そう思ったらすぐにでも、職場を辞める事を考えてください。

保育の現場が好きだから離れたくない、という人も多いと思われます。
しかし保育士は現在、人手不足での状況下にあるので、再就職も他の職業よりハードルが低い状況となっています。

一度いじめに遭ってしまうと人間関係の修復は困難なので、離脱を決意しましょう。

いじめが原因で退職する保育士は多いの?

ただでさえ、保育士は離職率が高い職場ですが、保育士の退職理由のランキングでは「人間関係」が2位となっているくらい、人間関係のトラブルで退職している保育士は多いといえるでしょう。

上司や同僚、園長などからの執拗ないじめで追い込まれ、精神を病んでしまった人の話もよく耳にします。
特に、新人の頃にいじめに遭ってしまうと、自分の対応や行動が正しいのか、自分自身のジャッジが図れないまま、不安に押しつぶされて病んでしまう、というケースもあります。

こうなると、退職・転職といった選択肢をとる保育士が多いです。
その結果、いじめが原因で退職する保育士は、多いといえます。

退職に追い込まれた保育士のいじめ事例

園を退職することになってしまった保育士は、どのようないじめにあっていたのでしょうか。ネット上の体験談を調査してみたところ、同僚や親御さんからのいじめもありますが、園長や上司など上の立場にあたる人からのいじめ・パワハラが目立ちました。退職した保育士が経験したいじめの事例をご紹介いたします。

いじめの退職事例①仕事を任せてもらえない

先輩の保育士が、他の保育士には仕事を任せるのに、わたしには仕事を任せてくれませんでした。入社して1年目のときは、自分の実力や勉強が足らないのだと思って、一生懸命がんばっていました。
しかし、2年目以降もわたしへのいじめが改善されることはありませんでした。それどころか、失敗を押し付けられて理不尽に怒られたり、会議に呼んでもらえなかったりといじめはエスカレートしていきました…。
他の保育士や園長も見て見ぬふりで、誰もいじめをどうにかしてくれそうにありませんでした。
どんなに努力しても先輩からのいじめはなくならないと気づき、3年目で退職しました。

いじめの退職事例②少しでもミスをしたら怒鳴り散らされる

園長は、保育士が少しでもミスをしてしまうと、どんな理由があろうと猛攻撃で怒鳴り散らされます。保育士たちはみんな園長に怯えていて、自分の身を守ろうと必死だったので、保育士同士もギスギスしていました。
陰で悪口を言われることも増え、体調も壊して耐えられなくなり退職を決意しました…。

いじめの退職事例③他の保育士にわからないように一人をいじめる

他の保育士にバレないように、同期にいじめられていました。物を隠されたり、園児たちに読み聞かせるために用意していた紙芝居の順番をぐちゃぐちゃにされるなど、地味ないじめでした。
その子は、とても愛想がよく上司からも気に入られていたので、私をいじめているなんて誰も気づいてくれませんでした…。
いじめを一人で抱え込んでしまい、だんだんとストレスから職場にも行けなくなり、そのまま退職することになりました。

立場が強い相手からのいじめに悩む保育士は多いようです。紹介した事例のような明らかないじめに耐えることはありません。少しでも「おかしいな」「いじめが辛いな」と感じたら、早めに周りや窓口に相談しましょう。退職を選ぶことは決して悪い事ではありません。

より良い環境で保育士として活躍しましょう

毎日、いじめで辛い日々を送っているなら、我慢しないで、退職をおすすめします。

辛い気持ちを抱えたまま、子供たちと接しても、十分な対応ができなくなる恐れもあります。
かわいい子供たちを残して退職する気持ちになれない、という人も多いですが、自分を守るために「合わない職場から逃げること」はNGではありません。

保育園によっては、いじめによる退職者を出さないようにするため、園長や先輩が、新人の悩みを早期に察知してフォローする、定期的に面談を開催する、保育士一人ひとりのメンタルケアに気を配る、ということを園全体で取り組んでいる所もあります。

ドリームキッズを運営する有限会社COCOでも、保育士にとってより良い環境づくりに取り組んでいます。
自分も周りも、保育士としてのびのびと毎日充実した日々を送ることができる保育園を見つけましょう。